常設展示
常設展示室には、製作年代のはっきり分かっているウランガラスとしては世界最古のものである1840年製のミルクピッチャーや、エミール・ガレの花器、テレビ番組で紹介されたロシア皇帝のゴブレットなど、19世紀以降の世界のウランガラスが約90点展示されています。形の美しさとともに、紫外線を当てた時に生じる蛍光の神秘的な輝きをお楽しみ頂けるよう、一部の作品では押しボタンで通常照明から紫外線照明に切り替わる展示をしています。
おもな収蔵作品
エミール・ガレのウランガラス作品「花蝶文花器」、製造年の明確なウランガラスとしては世界最古のミルクピッチャー、イギリス・スターブリッジ地方の卓上飾り「エパーン」、テレビ番組で紹介された「ロシア皇帝のゴブレット」、反射板にウランガラスを使用した蒸気機関車の前照灯(2階エレベーターホールに展示)、など
「花蝶文花器」
エミール・ガレ
エミール・ガレは、アール・ヌーヴォーを代表するフランスのガラス工芸家、陶器・家具のデザイナー。色ガラスを何層にも重ね、さまざまな技法で動植物や昆虫などを表現した作品を創り出すのがガレの作品の特徴です。残された作品の芸術性の高さは世界的にも評価されており、日本でも多くのファンを魅了するデザイナーのひとりです。
ロシア皇帝のゴブレット
フェドロフスキー社、マルツォフスコイエ社
1880年代にロシアで作られたもので、ウランガラスの生地全面にエナメル彩で植物模様が描かれています。このうち二つのゴブレットの底に、当時のロシア帝国の国章である「王冠を戴いた双頭の鷲」が彫られていることから、ロシア皇帝が宮廷で日常的に使っていたものか、数ある離宮での晩餐会の際に使用していたものと考えられています。
エパーン
「エパーン」とは、食卓の上に飾る置物のことです。食卓を華やかに演出するためのものですが、花や果物、お菓子などを入れたりするものもあります。当美術館では、ウランガラスで作られた植物を思わせるアールヌーボー調のエパーンを収蔵、展示しています。
フェアリーランプ
19世紀後半にアメリカで開発された、レモンイエローからローズピンクまで幅広い発色をするガラス「バーミーズガラス」を使った作品で、中にロウソク等のあかりを入れ、照明として使用されていました。